税理士の経営・財産・相続トピックスVol.030「マイナス金利?」
2月に日銀でマイナス金利が導入されました。
金融機関が日銀にお金を預けると金利を支払うということになります。お金を預けて利息を支払うのですから、今までの常識からすると「何をしていることやら」ということになります。
しかし、良い事かどうかは別として、欧州では数年前から導入されて珍しいことではありません。
昔話ですが、平成の最初の頃は、住宅ローンの変動金利が8%とか、預金金利も5%超えるとか、そのような時代がありました。事業計画を立てるときには銀行金利は8%でシミュレーションしていたことを思い出します。
マイナス金利の導入で、預金金利も下がり、融資金利もさがります。お金があれば預けるより事業に使いましょう、銀行で借り易くなったので事業に投資しましょう、ということが、政策としての大きなメッセージなのでしょうか。
しかし、医療事業における投資判断には、金利差は殆ど影響しません。
医療機関の事業再生をお手伝いすることが多くなりましたが、金融が事業投資を促進させるような環境になってきたとき、いわゆる、「先生いつでも貸しますよ」と言われているときは、一番判断が甘くなります。
事業も住宅も、こういうときほどシビアなシミュレーションが必要になります。
でも、金融は難しいですね。
(2017年3月1日 税理士法人日本経営 代表社員税理士 丹羽修二)
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